獣医師・ハチワレのつぶやき

ワンちゃんネコちゃんとの暮らしをより良くしたい!獣医師のつぶやきです。

ペットを飼う前に

こんにちは、獣医師のハチワレです。

 

今回は「ペットを飼う前に」についてです。

ペットは可愛い。

癒してくれる。

生き甲斐をくれる。

一緒に過ごす時間はプライスレス!

 

だから飼いたいな〜っと思っている方、お待ちください!

ペットは生き物!ごはんを食べてウンチもオシッコもする。吠えもします。

しっかりとペットたちについて知り、覚悟を持って飼いましょう。お願いします!

 

もう一度言います。

ペットは生き物!ごはんを食べてウンチもオシッコもする。吠えもします。

 

そんなこと分かっていると思います。

でも、「こんなに臭うと思わなかった」「吠えてうるさい」「散歩が大変」「お金がかかる」などの理由で飼育を放棄する方がいます。

また、望まない妊娠出産により生まれた子犬子猫を飼いきれないと捨てる方もいます。

本当に、本当に悲しい事です。

 

飼う前にペットは生き物だということを改めて認識してほしいです。

 

ただ、この記事をご覧の方はペットを迎える前に情報収集している方だと思いますので、このような事にはならないでしょう。

それでも飼い始めると想像とは違うこともあると思います。

 

 例えば…

①「吠えてうるさい」「粗相する」場合

しつけ教室や訓練で改善する可能性もあります。精神的なもの、病気の場合は治療で改善することもあります。

 

②「散歩が大変」

ペットシッターを雇う、走らせる囲いがある庭にするなどの方法もありますが、飼育前に散歩があまり必要としない犬種や猫を飼うことを考えると良いでしょう。

 

③「飼育猫が出産したけれど飼育しきれない」

里親探しをしましょう!

知り合いに聞いて居ない場合は、かかりつけの病院などに里親募集のポスターを張らせてもらったりする方法もあります。また、保護活動団体を紹介して貰い譲渡会の情報を聞くのも良いでしょう。今はインターネットで探すことも可能です。

そして、飼いきれない状況を止めるために速やかに親猫の避妊去勢手術をしましょう。

 

このように予防や対処を知っておけば、お互い幸せに過ごせるはずです。

 

では、「ペットを飼う前に」知っておいて欲しいことをお伝えします。

 

◆ペットを飼うのに、しつけはとても大切です。

子猫、子犬の飼い方でも紹介しますがペットを飼うにあたり、しつけは非常に大事です。1歳までにやるかやらないかでその後の10年20年の過ごしやすさが変わります。

大人になっても躾は有効ですが、効果が全く違います。

 

◆ペットを飼うにはお金がかかります。

ペットを飼うのには当然のことながらお金がかかります。年間費用は、犬で345,572円、猫で169,247円というデータがあります。(アニコム損保2021)

病気やケガの状態によっては更に費用がかかります。犬猫の平均寿命が約14歳(アニコム家庭どうぶつ白書2021)と考えると、生涯かかる費用は犬で約480万円、猫で約240万円となります。

初期費用以外にフード、予防(ワクチンやフィラリアなど)、トイレ用品(ペットシートや砂)、トリミング代など様々かかります。そして、大きな手術を受ける際には短期的にでも数十万かかることもあります。費用面でも覚悟をもって飼育する必要があります。

 

◆ペットを飼うには飼育環境を整える必要があります。

 

・ペット可の物件に住んでいるか

 ペットを飼える物件に住んでいるかです。飼える物件でも種類、大きさ、頭数の制限があると思いますので良く確認しましょう。

 ペット可物件でもペットを飼育していない人もいます。「ペット可=ペット好きな人が住んでいる」わけではありません。

鳴き声や走り回る音でのトラブルも起きることがありますので、しつけや防音マットなど予防や対処できることはしておきましょう。

 

・家族全員の同意があるか

 家族全員の同意のもと飼育しましょう。自分が世話するから大丈夫!と思っていても、病気などで世話ができなくなったら家族の協力も必要かになると思います。家族内のトラブル防止のために、しっかり話し合いましょう。

 

・動物アレルギーがないか

動物に対するアレルギーをもつ方がいます。

皮膚がかゆくなったり、くしゃみが出たり、ひどい場合は呼吸困難など命に関わる症状が出ることがあります。

現在のご家族に動物アレルギーがなくても、これから出産予定の方はお子さんにアレルギーがないか分かった後に飼育するのが理想です。

飼育途中からアレルギーが起こることもあると思います。

その場合に別の部屋に飼育スペースを確保できるか、引き取り手がいるかなども併せて考えておきましょう。

 

・飼育が困難になったときの対処法はあるか

これもとても重要です。

けが、病気、高齢、結婚、離婚、出産、転勤…そしてあまり考えたくはないことですが、ご自身が亡くなった場合など、飼育が困難になるケースは沢山あります。

我が家にいる猫も元の飼い主さんが末期がんで飼育できなくなってしまったため引き取った保護猫です。

将来どのようなことが起きるか分かりませんが、備えておきましょう。

 

いかがだったでしょうか。飼う前から色々考えないといけないなんて大変!と思うかもしれませんが、生き物を迎えるということはそれだけの覚悟が必要です。

そして、備えあれば憂なし。

以上、「ペットを飼う前に」でした!

少しでも参考になれば嬉しいです。

 

犬猫の飼い方についての記事も追加していきますので、そちらも併せて参加にしてみてください。

ペットとの幸せな時間を過ごせますように。