犬猫の爪切り
こんにちは、獣医師のハチワレです。
今回は犬猫の爪切りについてです。
必要なもの
・爪切り
よく切れるもの。切れが悪いと嫌がる確率上がります。
・ヤスリ
犬はあると便利です。猫は必要ありません。
・止血剤
あると便利です。
・エリザベスカラーや口輪
これらが必要になる場合は、トリマーや獣医師にお願いしたほうが良いでしょう…
・洗濯ネットや猫袋
猫であると便利です。
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🐶犬の場合🐶
犬は私たちと同じように爪が伸びます。室内犬は特に定期的な爪切りが必要になります。
伸びた爪はフローリングなどで滑りやすくなり足を痛めることもあります。爪が折れて出血した時には家が大惨事になります。究極に爪が伸びるとぐるぐる巻きになってしまい、歩く事自体がしんどくなります。
室内飼育でお散歩に行く頻度が少ないと特に伸びやすく、月に1回程度の爪切りが必要です。たくさん歩いていれば自然に削れるので殆ど爪切りは必要ありませんが、第一指(ヒトでいう親指)は地面に接触せず伸びやすいので切りましょう。
慣れればご自身でお手入れできます。不安がある場合や初めての爪切りは動物病院やトリミングの際にお願いしましょう。深爪すると痛がりますし、出血が中々止まらないなど飼い主にとっても犬にとっても嫌な思い出となり次の爪切りが難しくなります。
まずは爪切りの前に手先を触る練習から始めると良いです。→犬の飼い方へ
ではいよいよ爪切り!
肉球の延長線上までが爪を切れる長さの目安です。少しずつ切っていき、爪の断面の中心が変化して少し柔らかくなる箇所に到達したら目安より長くてもやめましょう。攻めると血管に到達して出血します。
白い爪の子は爪の中の血管が透けて見えやすく、どこ迄切ればよいか分かりやすいです。黒い爪の子は血管が見えないので、白い爪の子以上に少しずつ切りましょう。
爪を切り過ぎた時は思っている以上に出血します!初めての時は正直焦ります。
止血剤がある場合はティッシュで血をぬぐった後に、指や綿棒に止血剤を乗せて爪の断面に押し当てます。1回で止まらない場合は再度止血剤を付けて、ティッシュで2~3分圧迫してください。
止血剤がない場合はティッシュで5分圧迫すると大概は止まります。それでも出血するようならさらに圧迫してください。
🐱猫の場合🐱
猫は犬と爪の伸び方が違います。猫は新しい爪が古い爪の下に伸びてきます。爪とぎをする事で被さっている古い爪が剥け落ちて下の新しい鋭い爪が露わになるのです。爪とぎした周辺には古い爪の殻が落ちているはずです。このため同じ爪が伸び続ける犬とは違い、爪とぎをしっかりできている猫は基本的に爪切りの必要がありません。
猫の飼い主さんでも、この爪の伸び方を知らない人が結構います。
時々、「猫は爪とぎしているから先が削れていて爪切りは必要ないでしょ?」と言われますが、これはちょっと間違えています。確かに爪とぎしていれば爪切りは基本的に必要ありませんが、前述のように削れているわけではないのです。削れてしまったら木に登ったり獲物を捕まえたりしにくくなり、自然界で生きていくのに不便ですよね。
猫で爪切りが必要になってくるケースは
①病気や加齢で爪とぎができない時(古い爪が取れずに重なって太い爪になり、歩きにくくなります。)
②皮膚疾患などでの搔き傷を防止する時
③飼い主が引っ掻かれる、家具、壁をぼろぼろにされる時などです。
ではいざ爪切り!
猫のほうが犬より爪切り自体は簡単です。爪が細く、血管も透けて見えやすいです。
血管から2~3mm空けたところで切って行きます。
出血した場合は犬と同じく、止血剤を押しあてるかティッシュで数分圧迫して止血しましょう。
ただ、嫌がり逃げる確率が高いのは猫です。
コツとしては食べるのに夢中になれる子は、オヤツ(我が家はみんな大好き、ちゅーる!)をあげながら爪切りすると良いでしょう。
逃げてしまう子は猫袋(顔だけ出せて、足をそれぞれ出せるチャック付きの穴があるもの)に入れるか、洗濯ネット(網なので苦しくありません。)に入れてチャックのところから足を1本ずつ出して爪切りするとやりやすいです。
いかがでしたか?
お家で爪切りをトライできそうでしょうか。
…無理そうな場合は動物病院に任せちゃいましょう!
病気じゃないのに爪切りだけで動物病院行ってもいいの?という方もいますが、大丈夫です!爪切りだけで来院される方は結構多いです。