獣医師・ハチワレのつぶやき

ワンちゃんネコちゃんとの暮らしをより良くしたい!獣医師のつぶやきです。

猫の理想的なトイレとは

猫の理想的なトイレとは

こんにちは、獣医師のハチワレです。

今回は猫ちゃんのトイレについてです。

 

先ず大事なことは…「猫はとっっても綺麗好き」ということです!

排泄物でトイレの砂が1か所汚れているだけでも、そのトイレを使わない猫もいます。

綺麗で理想的なトイレ環境はストレスのない気持ちの良い日々が過ごせるだけではなく、粗相や膀胱炎などの予防にも繋がります。愛猫になったつもりでトイレ環境を作りましょう!

 

①場所

 ・静かでお気に入りの場所から近いところ、食事する所からは離しましょう。

☞自分に置き換えると…用を足している時にトイレの側を人が頻繁に通ったり、ザワザワしていると落ち着かないですよね。

 

②トイレの形状

体長の1.5倍以上の大きさ、深め、蓋がないものが理想です。

・トイレ容器の縁に前足をかけて排泄しているなら、トイレが狭いサインです。

・プラスチックの衣装ケースをトイレに使用しても良いです。大きくて猫が入りやすく、砂が飛び散りにくい深さで便利です。

・老猫や足腰が弱い猫には入口が低いトイレを選択するか、ステップ(踏み台)やスロープを付けると良いです。

・システムトイレは掃除回数を減らせる便利さや採尿のしやすさはありますが、排尿回数や状態の異常に気付きにくくスノコや砂が汚れやすい欠点もありますので、特に尿トラブルのある猫には不向きです。

 ※システムトイレとは?…2層になっていて、排尿すると上層にある砂を通過して下層のペットシーツに吸収されるため、上層の砂が汚れにくく下層のシーツを1週間に1度程度交換すればよいトイレのことです。

☞自分に置き換えると…大人が子供用の便器を使えと言われても小さすぎて無理だよ!とか、掃除の行き届いていない蓋つきのトイレは臭いの充満した簡易トイレに入った時を考えると不快感が分かりやすいと思います。

 

③トイレの数

  頭数+1個(3頭いるなら4個のトイレを設置)が理想です。最少でも頭数分を用意しましょう。どうしても置くスペースがない場合は、サブトイレはメインより簡易的で小さくても良いかと思います。

 

④砂の量と種類

 砂はトイレ底が見えないようしっかり入れましょう。細かい砂が良いです。大粒の砂は凸凹して安定感が悪く砂掻きしにくいです。猫それぞれに好みがあるので、その子に合った砂を見つけましょう。

砂を変更する時は一気に変えず、前の砂と新しい砂のトイレをそれぞれ用意するなど徐々に変更します。

ちなみに…排泄後の猫砂の処理方法は注意事項をよく読みましょう。流せるタイプでも節水型のトイレなどでは詰まりを起こす原因になりますので気を付けましょう!

 

⑤トイレの掃除

  排泄後すぐに行うのが理想ですが、最低でも朝晩2回行います。2週間に1度は砂を全て入れ替え、トイレ全体の掃除をしましょう。トイレ容器は基本的に水洗いと天日干しで十分です。汚れが多い時は中性洗剤で洗うか、尿の蓄積した白い汚れや臭いが取れない時はクエン酸を溶かしたぬるま湯で漬け置きし、その後スポンジで優しくこすり良く水洗いをすると綺麗に取れます。

☞自分に置き換えると…私たちもトイレを使用する度に水を流します。

前に使っていた人がトイレを流していなかったら使いたくないです。そして2、3か月も掃除していない便器を使うのも嫌ですよね。それと同じです!

 

⑥トイレで困った時

 あまりないかもしれませんが、トイレの砂を切らしてしまった!トイレが壊れてしまった!出先でトイレがない!

そんな時は…

トイレ容器の代用→衣装ケース、プラスチックのトレイ状のもの

砂の代用→ペットシーツ、新聞紙(新聞紙を4つ折りくらいにして1~2cm幅に割いた柵状ものをほぐしてペットシーツや折りたたんだ新聞紙の上に散らしておくと猫がトイレをしやすく吸収もしやすいです。)

 

いかがでしたか?猫ちゃんの理想的なトイレ環境が見つかるヒントになれば嬉しいです。また、粗相する場合はトイレ環境だけでなく病気やストレスなどが原因のこともあります。何か気になることがあれば、まずは病院に相談しましょう。