獣医師・ハチワレのつぶやき

ワンちゃんネコちゃんとの暮らしをより良くしたい!獣医師のつぶやきです。

犬猫の歯磨き!オーラルケアについて

こんにちは、獣医師のハチワレです。

今回はワンちゃんネコちゃんのオーラルケアについてです。

ペットがそばに来た時、口が臭うことはありませんか?口臭の原因の多くは歯周病によるものです。犬猫の歯周病はなんと3歳以上の75%以上にあると言われており、口臭だけでなく心臓、肝臓、腎臓など全身に悪影響を及ぼします。

私たちは毎日食後に歯を磨きますよね。ペットたちも同様に子犬、子猫のうちから歯磨きを始めとしたオーラルケアを慣れさせて日々行いましょう!

歯と全身の健康を保つために重要なオーラルケアですが、自宅でのケアと動物病院でのケアがあります。順番にご紹介します。

自宅でのオーラルケ

歯磨き

歯磨きは毎日が理想ですが、歯垢は3日程で歯石になるため3日以内に歯ブラシを行いましょう。歯ブラシは毛が柔らかくヘッドが小さいものが良いです。ペット用にこだわる必要は無くワンちゃんの場合は子供用の歯ブラシでもOKですし、ネコちゃんの場合はタフトブラシが使いやすいと思います。

 歯磨き中に出血や痛みがある場合は、無理せず獣医師に相談してください。

〜歯磨きをする前の準備〜

 おやつなどのご褒美を与えながら口の周りを撫でることから始め、歯茎を触られることに慣れさせます。

 最初は数秒から始めて無理をせず、その都度褒めて少しずつ歯磨きの時間を増やして行き、とにかく楽しくて良いことだと認識させていきましょう。

 口周りを触られることに抵抗がなくなってきたら、ガーゼや歯磨きシートを巻いた手で歯を軽くこすります。

 これに慣れてきたらおやつを与えながら歯ブラシを見せたり、口周りに軽く触れさせて慣らします。

〜歯ブラシでの歯磨き方法〜

 歯ブラシを歯に対して45度にします。そして、歯と歯肉の間の溝である歯周ポケットの汚れ(歯垢)を掻き出すように優しく力を入れずにブラッシングします。

 特に犬歯(キバ)と上顎の裂肉歯(上の奥の方にある一番大きな歯)が汚れやすいので、この部分を念入りに磨きます。

 歯ブラシは水で湿らすか、歯磨き粉をつけて行いましょう。人間用の歯磨き粉は使わずに必ず犬猫用のものを使ってください。

 

デンタルガムやオヤツ

 美味しいのでペットたちも喜んで協力してくれるはずです。市販のデンタルケア用ガムを使用してください。硬い蹄(ひづめ)や硬い骨は、実は歯が欠けたり歯に良くないので決して与えないでくださいね。

 

デンタルリンス、スプレー

 飲み水に入れるもの、歯にスプレーするものなど色々あります。

 リンス、スプレーを行った場合は30分飲食を控えてください。

 

サプリメント

 口腔内の善玉菌を増やす、または歯周病菌を減らすものがあります。

 

フード

 歯周病予防用の療法食があります。味を好んでくれるならとても与えやすいと思います。かかりつけの動物病院に相談してみてください。

 

自宅でのオーラルケアは上記5つを組み合わせて行うと効果的です。

 特に大事なのは歯ブラシですが、どうしてもできない子でも日々歯磨き粉を歯に塗り付けたりや歯磨きシートで擦るだけでも効果があります。是非できるものを探してやってみましょう。

 

動物病院でのオーラルケ

スケーリング(歯石除去)

歯垢は歯石になると歯磨きなどでは取れません。私たちが歯科医で定期的に歯をスケーリング(スケーラーという器具を使って歯石を除去して綺麗にすること)してもらうように、ペットたちもスケーリングを定期的にすると良いでしょう。

ただ、ワンちゃんネコちゃんの場合は全身麻酔が必要となり、麻酔前の検査も含め数万円と費用もかかります。そしてスケーリング後も綺麗な歯を保つには、日々のオーラルケアが必須となるため自宅でのケアができるようになることがとても大切です。

 

無麻酔下でのスケーリング(歯石除去)は危険が伴うのでお勧めできません。

無麻酔で処置をする際にじっとしていられない子も多く、動いてしまうと口の中を怪我してしまう可能性があります。特に歯周病で顎の骨が溶けて脆くなっている場合は処置中に器具を噛んだり嫌がったらすると顎の骨が折れるという最悪な事態が起こることもあります。

自宅でのスケーリングも同様の理由でお勧めできません。

老齢や病気で麻酔をかけて歯石除去ができない子でも自宅でのオーラルケアは口腔内菌数を減らすことができ、口腔内環境改善に繋がるので是非行いましょう。

 

いかがでしたか?以上オーラルケアについてでした。

まとめの一言は是非毎日歯磨きしましょう!

今日にでも口を触ることから始めてみてくださいね。

猫の飼い方 必要なもの編

こんにちは、獣医師のハチワレです。

私は獣医師になる前は犬を飼っていました。

猫も可愛いけど、やっぱり犬派だな!とずっと思っていました。

思っていましたが…猫を飼い始めてからは猫がすっっごくかわいい。

気分屋で、自分が乗り気じゃないと撫でさせてくれなかったり、出かける時は飄々としていたのに、帰宅時に待ってました、寂しかったよとスリスリしてきたり。

そんな人をあっという間に虜にする猫ちゃんを飼う時に必要なものをご紹介します!

 

「飼う前に知っておいてほしい事」についてはこちらへ⇒https://blog.hatena.ne.jp/Hachiware/hachiware.hatenadiary.com/edit?entry=4207112889921206879

 

必要なもの

・フード

・フードボウル

・キャリーケージ、バッグ

・トイレ

・砂、ペットシーツ

・爪とぎ

 

あると便利なもの

・ケージ

・グルーミンググッズ

・首輪

・オモチャやキャットタワー

・タイマー付き給餌機

・見守りカメラ

 

などなど。詳しく説明していきます。

 

必要なもの

・フード

 <ドライフード>

その名の通り乾いた粒のペット用ごはん。ウェットに比べて長い時間置いておけます。残っていても半日毎に変えましょう。総合食なので、基本的にこれだけ食べていれば栄養不足にはなりません。

 

<ウェットフード>

水分を含んだ缶詰やパウチに入っているごはん。夏場は傷みやすく、長時間置くには不向きです。多くは総合食ではないので、少しだけでもドライフード(総合食)を与えて栄養バランスを取ってください。

 猫はとってもグルメでこだわりが強い子も居ます。ドライフードが好きな子、ウェットフードが好きな子、何でも食べる子(我が家の猫はコレ)と様々です。そして、一気に一食分食べる子も居れば、ちょびちょびと半日かけて食べる子も居ます。

 食べ方や好みによってフードの種類を変えてみてください。

 

・フードボウル(ご飯皿)

 フードボウルは浅めのものが食べやすく良いです。素材はステンレス、陶器、プラスチックなどあり何でもOKですが、中にはプラスチック容器で接触性皮膚炎を起こす子がいるので何が良いか悩んでいる方はステンレスが扱いやすいと思います。

 

・キャリーケージ、バッグ

 動物病院や災害時などに猫を運ぶバックやケージは必須アイテムではありますが、出番は少ないです。

代用するなら洗濯ネットがお勧めです。通気性が良く、軽くて安い、自宅にある方も多いでしょう。100均やドラックストアでも買えるので急遽必要な場合に便利です。穴がないかチェックして、猫の大きさより少しゆとりがある程度のものにしましょう。

大きすぎると猫がネットに入ったまま走り出すことがありますので気を付けてください。

 病院に行く際に、逃げ出す子や気性が荒くなる猫はネットに入れてからキャリーケージに入れると病院で出し入れしやすいです。また、災害時にパッと入れられるので(我が家はリビングのすぐ手の届くところに置いてあります。)1つ用意しておくといいでしょう。

また、ペットとバスや電車などの公共機関を使用する場合は大抵サイズや形の規定があります。

使うかもしれない方は調べてからキャリーケースを購入する方が良いでしょう。

・トイレ

 必須です。詳細は猫のトイレについての記事へ

https://blog.hatena.ne.jp/Hachiware/hachiware.hatenadiary.com/edit?entry=4207112889942396862

 

・砂、ペットシーツ

 必須です。詳細は猫のトイレについての記事へ

https://blog.hatena.ne.jp/Hachiware/hachiware.hatenadiary.com/edit?entry=4207112889942396862

 

・爪とぎ

 猫は爪とぎが必要です。詳細は爪のお手入れの記事へ

https://blog.hatena.ne.jp/Hachiware/hachiware.hatenadiary.com/edit?entry=4207112889921206206

 

キャットタワーについているものや床や壁に設置できるもの色々あります。段ボール製、麻布製などありますが、ねこの好みもあるので買いやすいものから試すと良いです。

 爪とぎがないと、絨毯、カーテン、ソファなどがズタボロになりますのでご注意ください。

(爪とぎがあってもズタボロになるかもしれませんが…)

 

あると便利なもの

・ケージ

 自宅にお客さん、工事や業者さんなど人の出入りがあるときに、ケージがあると便利です。

 

・グルーミンググッズ

 短毛で毛繕いをしっかりできる猫ちゃんには不必要かもしれませんが…

 毛繕いをあまりしない猫ちゃんや、長毛の猫ちゃんは手入れを怠ると毛玉になりやすく、毛玉の下が蒸れて皮膚炎を起こし酷い時には化膿します。

ブラシやスリッカーを準備して日頃からブラッシングに慣らしてあげると良いでしょう。

ちなみに、毛玉ができた時にブラシで解さないレベルなら動物病院で対処してもらいましょう。

毛玉を切ろうとして皮膚まで切ってしまった…

という方が結構居ます。そうなると皮膚を縫合しなくてはならないケースもあります。

 

・首輪&迷子札

迷子になった時や病院で名前が分かるように付かておくと良いです。首輪がひっかかった時に外れるようになっている物もあります。

ただ、首輪をして接触している部分が脱毛するこどがあります。

 

・オモチャ

ストレス発散に是非用意しましょう。

ただし、少しでも破損しそうになったらすぐ買い替えましょう。

以前、糸くずを遊んで飲み込んでしまったり、猫じゃらしに付いた小さなネズミのオモチャを丸呑みした猫を見たことがあります。

こうした異物摂取は窒息、腸閉塞など命の危険を及ぼす可能性があります。そして、内視鏡で取り去ることができなければ開腹手術になってしまうケースもありますので注意しましょう。

 

・キャットタワー

猫は高い所が好きです。縦の動きかできるようにしてあげる必要があります。飛び乗れて、逃げられる場所が

 

・タイマー付き給餌機

我が家は明け方から朝ごはんを欲しがり起こされることが辛かったため導入しました。

日中のお留守番にも便利です。

梅雨〜夏は中に入れるフードが湿気やすいので、補充は少なくこまめに行うことをお勧めします。

 

・見守りカメラ

日中の留守中につけておくと様子も分かりますし、中にはコミュニケーションの取れるものもあります。

 

 

いかがでしたか?

猫の飼い方、必要なもの編でした!

準備をしっかりして猫ちゃんをお迎えしましょうね^_^

獣医師になるには

こんにちは、獣医師のハチワレです。

 

今回は、「獣医師になるには」です。

獣医師の仕事とは→準備中

獣医師に必要なこと→準備中

 

獣医師は国家資格です。高校を卒業後、獣医学の学べる学部や学科で6年間在籍し卒業するだけでなく、獣医師国家試験を合格する必要があります。

 

率直な感想として、獣医師になるには思っていたよりお金と時間がかかりました。

 

獣医系の大学は全国に国立私立合わせて16校と他の分野に比べて少ないため、自宅から近いところにあるとは限りません。国立に入学できても学費と下宿代がかかったりと費用面で覚悟が必要になると思います。

ちなみに私立だと年間の学費だけでも200万超えです。6年で約1300万。それに下宿代となると気が遠くなります…。

その他教材費(本、実習用の道具、ツナギや長靴、パソコンなどなど)もかかります。

 

私の場合は親からの援助も勿論ありましたが、奨学金を6年間借り、アルバイトもしていました。

しかし、大学4年生からは研究室に所属して忙しくなりアルバイトはほぼできなくなりました。

奨学金はあくまで学費のローン、つまり借金です。一般的な動物病院の勤務獣医師は世間の方が思っているほど給料が高くないので、返済が重くのしかかってきます。

やり甲斐があり、国家資格で就職先も動物病院だけではなく様々な分野にあるため困ることはありません。ただ、高給取りを夢見てなりたい人は辞めた方がいいです…。

 

前述のように獣医系の学部は6年制と時間がかかります。

浪人や大学を入り直して入学になると、社会人になる頃には20代後半ということも。

 

ちなみに一例ですが、私が大学に通っていた頃は…

1年生

一般教養と基本的な獣医専門科目(解剖学、生理学などの座学中心。

2年生

基本的な獣医専門科目(病理学、微生物、薬理など)が更に増え、加えて実習が始まります。

3年生

病気の診断、治療などの臨床的な科目(内科、外科など)や伝染病などの科目が加わってきます。

4年生

臨床的な科目が増え、その実習も行います。さして、研究室に所属します。(学校によっては3年生からケースもあるようです。)

5年生

臨床系の座学と実習メインでした。

授業以外の時間は所属研究室で過ごしている時間が多かったです。

6年生

臨床の研修や卒業論文がメインです。

そして、国家試験の勉強。

各大学を調べるとカリキュラムが載っていて、どのような勉強をするのか詳しく知ることができますが、おおまかな流れはこのような感じです。

 

国家試験ですが現役での合格率が毎年約80%で、学校できちんと勉強していれば合格する可能性が高いです。ただ、現役で合格できないと合格率がもの凄く下がります。

おそらく国試浪人するとモチベーションを維持したり勉強をする環境をつくるのが難しくなるからだと思います。

試験の内容は想像しやすいところは、

・解剖学、生理学、組織学、など

 (簡単に言うと体の仕組みや構造とか)

・内科、外科、病理学、画像診断、薬学など

    (簡単にいうと病気、診断、治療に関するもの)

微生物学寄生虫学、伝染病学、公衆衛生学など

    (簡単にいうと感染症などの病気に関すること)

それ以外にも獣医師法という法律や魚病学なども出てきます。

 

これに合格することで、獣医師免許を取得し獣医師になることができます。

 

どの資格もそうですが、あくまでこれはスタートライン。

大事なのは獣医師になった後です。

 

勉強し続けて技術を磨き続けることが何よりも重要なことだと痛感しています。

 

いかがでしたでしょうか。少しでも参考になれば幸いです。

以上、「獣医師になるには」でした!

 

 

 

 

肛門腺の手入れ

こんにちは、獣医師のハチワレです。

今回は肛門腺の手入れについてです。

 

一定数のワンちゃんは定期的に肛門腺を絞る手入れが必要です。ネコちゃんにも絞る必要のある子もいますが、ワンちゃんほど多くはありません。

 

必要なもの

 ・汚れても良い服と場所

 ・ティッシュ

 ・消臭スプレー(ペットの身体用のもの)

    ・シャンプー&シャワー:必要に応じて

 ・使い捨て手袋:必要に応じて

 

犬、猫には肛門腺という分泌腺があり、溜まってしまう子は定期的に絞ってあげる必要があります。通常は便をする時に一緒に出ますが、肛門の筋肉の衰え、分泌物の粘り気が上がるなど様々な原因で分泌液が溜まっていきます。

 

分泌液が溜まりに溜まると…

なんと、破裂します!!!

 

とっても痛がります。

 

肛門腺が溜まってくるとおしりを気にしたり、床にお尻を付けてズリズリ引きずってお尻歩き(かわいいな~って思っている場合ではありません!笑)をしますので、そのような行動が見られたら肛門腺が溜まっている可能性大です。

 

犬の方がこのような行動を取ることが多く、肛門腺が溜まっていることが分かりやすいと思います。猫は破裂してから来院することが多いように感じます。

 

肛門腺は自宅でも絞ることができますが、ものすごく臭く、飛び散ることがあります。

飛び散って顔にかかった日には…泣

必ず汚れても良い服、汚れても良い場所(風呂場など)でやりましょう。

 

では、いざ肛門腺絞り!

肛門腺の場所は外から見ることはできませんが、肛門からすぐ内側の両脇(時計の針でいうと4時と8時の方向)にあります。

最後にお尻を洗ってあげられるなら、最初は素手でやった方が分かりやすいですが…臭くなるので気になる方はティッシュをあてるか使い捨て手袋をしましょう。

肛門腺はただその場所を押すだけでは絞れません。押しながら肛門の外へ絞り出すようにしましょう。押す力も弱いと出ません。つねるくらいの強さ、歯磨き粉の残りを絞って出すときの強さで押し絞りましょう。絞る際は、狙いを定めたあとはあまり覗き込まない方がいいです。肛門腺が飛び散って顔にかかる可能性が高まります。

 

絞った後は犬猫用の皮膚に使用できる消臭スプレーをして拭き取るか、犬猫用のシャンプーで洗いましょう。

 

また、肛門腺の粘りが強く肛門の中に指を入れないと絞れない子もいます。自宅で絞ってもあまり肛門腺が出ない場合やお尻を気にし続けている場合は動物病院にお願いしましょう。

雑談・買って良かった2022

今週のお題「買ってよかった2022」  

 

こんにちは、獣医師のハチワレです。

今回は動物関連ではありません^_^

 

今年買って良かったもの…

それは電動アシスト付き自転車です🚲!

 

子育て中の私ハチワレは、最初子供乗せて運転しにくそうだな、充電めんどくさいな、スピード出るなら危なさそうだし…など色々理由を付けて買うのを躊躇っていました。

でも必要に迫られて買ったところ、

 

凄く便利!!!!

 

子育て中の方々始め、たくさんの方が持っている理由がわかりました!

 

交差点などで止まって確認した後の走り出しが楽。

勿論坂道も楽。

ちょっと足を伸ばさないといけない駐車場のない美味しいパン屋にも行きやすい!

 

ただ、前のカゴに重たい物を乗せすぎずると前に子供も乗せているためバランス悪く倒れそうで怖い…

 

物は使いようで、気をつけて使えば良いということがよくわかりました。

荷物乗せすぎずに、スピード出し過ぎず、ヘルメット着用!

それなら安全、便利なはず。

これからも沢山乗ろうと思います。

 

買って良かった2022でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

猫の理想的なトイレとは

猫の理想的なトイレとは

こんにちは、獣医師のハチワレです。

今回は猫ちゃんのトイレについてです。

 

先ず大事なことは…「猫はとっっても綺麗好き」ということです!

排泄物でトイレの砂が1か所汚れているだけでも、そのトイレを使わない猫もいます。

綺麗で理想的なトイレ環境はストレスのない気持ちの良い日々が過ごせるだけではなく、粗相や膀胱炎などの予防にも繋がります。愛猫になったつもりでトイレ環境を作りましょう!

 

①場所

 ・静かでお気に入りの場所から近いところ、食事する所からは離しましょう。

☞自分に置き換えると…用を足している時にトイレの側を人が頻繁に通ったり、ザワザワしていると落ち着かないですよね。

 

②トイレの形状

体長の1.5倍以上の大きさ、深め、蓋がないものが理想です。

・トイレ容器の縁に前足をかけて排泄しているなら、トイレが狭いサインです。

・プラスチックの衣装ケースをトイレに使用しても良いです。大きくて猫が入りやすく、砂が飛び散りにくい深さで便利です。

・老猫や足腰が弱い猫には入口が低いトイレを選択するか、ステップ(踏み台)やスロープを付けると良いです。

・システムトイレは掃除回数を減らせる便利さや採尿のしやすさはありますが、排尿回数や状態の異常に気付きにくくスノコや砂が汚れやすい欠点もありますので、特に尿トラブルのある猫には不向きです。

 ※システムトイレとは?…2層になっていて、排尿すると上層にある砂を通過して下層のペットシーツに吸収されるため、上層の砂が汚れにくく下層のシーツを1週間に1度程度交換すればよいトイレのことです。

☞自分に置き換えると…大人が子供用の便器を使えと言われても小さすぎて無理だよ!とか、掃除の行き届いていない蓋つきのトイレは臭いの充満した簡易トイレに入った時を考えると不快感が分かりやすいと思います。

 

③トイレの数

  頭数+1個(3頭いるなら4個のトイレを設置)が理想です。最少でも頭数分を用意しましょう。どうしても置くスペースがない場合は、サブトイレはメインより簡易的で小さくても良いかと思います。

 

④砂の量と種類

 砂はトイレ底が見えないようしっかり入れましょう。細かい砂が良いです。大粒の砂は凸凹して安定感が悪く砂掻きしにくいです。猫それぞれに好みがあるので、その子に合った砂を見つけましょう。

砂を変更する時は一気に変えず、前の砂と新しい砂のトイレをそれぞれ用意するなど徐々に変更します。

ちなみに…排泄後の猫砂の処理方法は注意事項をよく読みましょう。流せるタイプでも節水型のトイレなどでは詰まりを起こす原因になりますので気を付けましょう!

 

⑤トイレの掃除

  排泄後すぐに行うのが理想ですが、最低でも朝晩2回行います。2週間に1度は砂を全て入れ替え、トイレ全体の掃除をしましょう。トイレ容器は基本的に水洗いと天日干しで十分です。汚れが多い時は中性洗剤で洗うか、尿の蓄積した白い汚れや臭いが取れない時はクエン酸を溶かしたぬるま湯で漬け置きし、その後スポンジで優しくこすり良く水洗いをすると綺麗に取れます。

☞自分に置き換えると…私たちもトイレを使用する度に水を流します。

前に使っていた人がトイレを流していなかったら使いたくないです。そして2、3か月も掃除していない便器を使うのも嫌ですよね。それと同じです!

 

⑥トイレで困った時

 あまりないかもしれませんが、トイレの砂を切らしてしまった!トイレが壊れてしまった!出先でトイレがない!

そんな時は…

トイレ容器の代用→衣装ケース、プラスチックのトレイ状のもの

砂の代用→ペットシーツ、新聞紙(新聞紙を4つ折りくらいにして1~2cm幅に割いた柵状ものをほぐしてペットシーツや折りたたんだ新聞紙の上に散らしておくと猫がトイレをしやすく吸収もしやすいです。)

 

いかがでしたか?猫ちゃんの理想的なトイレ環境が見つかるヒントになれば嬉しいです。また、粗相する場合はトイレ環境だけでなく病気やストレスなどが原因のこともあります。何か気になることがあれば、まずは病院に相談しましょう。

                                  

 

犬猫の爪切り

こんにちは、獣医師のハチワレです。

今回は犬猫の爪切りについてです。

 

必要なもの

・爪切り

よく切れるもの。切れが悪いと嫌がる確率上がります。

・ヤスリ

 犬はあると便利です。猫は必要ありません。

 

・止血剤

 あると便利です。

エリザベスカラーや口輪

 これらが必要になる場合は、トリマーや獣医師にお願いしたほうが良いでしょう…

・洗濯ネットや猫袋

 猫であると便利です。

 

🐶犬の場合🐶

 犬は私たちと同じように爪が伸びます。室内犬は特に定期的な爪切りが必要になります。

伸びた爪はフローリングなどで滑りやすくなり足を痛めることもあります。爪が折れて出血した時には家が大惨事になります。究極に爪が伸びるとぐるぐる巻きになってしまい、歩く事自体がしんどくなります。

 

 室内飼育でお散歩に行く頻度が少ないと特に伸びやすく、月に1回程度の爪切りが必要です。たくさん歩いていれば自然に削れるので殆ど爪切りは必要ありませんが、第一指(ヒトでいう親指)は地面に接触せず伸びやすいので切りましょう。

 

 慣れればご自身でお手入れできます。不安がある場合や初めての爪切りは動物病院やトリミングの際にお願いしましょう。深爪すると痛がりますし、出血が中々止まらないなど飼い主にとっても犬にとっても嫌な思い出となり次の爪切りが難しくなります。

まずは爪切りの前に手先を触る練習から始めると良いです。→犬の飼い方へ

 

ではいよいよ爪切り!

 肉球の延長線上までが爪を切れる長さの目安です。少しずつ切っていき、爪の断面の中心が変化して少し柔らかくなる箇所に到達したら目安より長くてもやめましょう。攻めると血管に到達して出血します。

 

 白い爪の子は爪の中の血管が透けて見えやすく、どこ迄切ればよいか分かりやすいです。黒い爪の子は血管が見えないので、白い爪の子以上に少しずつ切りましょう。

 

 爪を切り過ぎた時は思っている以上に出血します!初めての時は正直焦ります。

止血剤がある場合はティッシュで血をぬぐった後に、指や綿棒に止血剤を乗せて爪の断面に押し当てます。1回で止まらない場合は再度止血剤を付けて、ティッシュで2~3分圧迫してください。

 止血剤がない場合はティッシュで5分圧迫すると大概は止まります。それでも出血するようならさらに圧迫してください。

 

🐱猫の場合🐱

 猫は犬と爪の伸び方が違います。猫は新しい爪が古い爪の下に伸びてきます。爪とぎをする事で被さっている古い爪が剥け落ちて下の新しい鋭い爪が露わになるのです。爪とぎした周辺には古い爪の殻が落ちているはずです。このため同じ爪が伸び続ける犬とは違い、爪とぎをしっかりできている猫は基本的に爪切りの必要がありません。

 猫の飼い主さんでも、この爪の伸び方を知らない人が結構います。

時々、「猫は爪とぎしているから先が削れていて爪切りは必要ないでしょ?」と言われますが、これはちょっと間違えています。確かに爪とぎしていれば爪切りは基本的に必要ありませんが、前述のように削れているわけではないのです。削れてしまったら木に登ったり獲物を捕まえたりしにくくなり、自然界で生きていくのに不便ですよね。

 

猫で爪切りが必要になってくるケースは

①病気や加齢で爪とぎができない時(古い爪が取れずに重なって太い爪になり、歩きにくくなります。)

②皮膚疾患などでの搔き傷を防止する時

③飼い主が引っ掻かれる、家具、壁をぼろぼろにされる時などです。

 

ではいざ爪切り!

 猫のほうが犬より爪切り自体は簡単です。爪が細く、血管も透けて見えやすいです。

 血管から2~3mm空けたところで切って行きます。

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 出血した場合は犬と同じく、止血剤を押しあてるかティッシュで数分圧迫して止血しましょう。

ただ、嫌がり逃げる確率が高いのは猫です。

コツとしては食べるのに夢中になれる子は、オヤツ(我が家はみんな大好き、ちゅーる!)をあげながら爪切りすると良いでしょう。

 逃げてしまう子は猫袋(顔だけ出せて、足をそれぞれ出せるチャック付きの穴があるもの)に入れるか、洗濯ネット(網なので苦しくありません。)に入れてチャックのところから足を1本ずつ出して爪切りするとやりやすいです。

 

いかがでしたか?

お家で爪切りをトライできそうでしょうか。

…無理そうな場合は動物病院に任せちゃいましょう!

病気じゃないのに爪切りだけで動物病院行ってもいいの?という方もいますが、大丈夫です!爪切りだけで来院される方は結構多いです。